心肺蘇生法
出典: 中津川市公式ホームページ
川上診療所長 高橋 春光 広報かわうえ平成20年6月25日号
季節も暖かくなり夏の到来を感じることも多くなりました。行楽シーズンを控え、今回は昨年もお話ししました救命処置の心肺蘇生法について皆さんと復習したいと思います。
傷病者が発生した場合に、いかに早く救命手当を行うかがその傷病者の予後に大きく影響します。つまり、救急車や医師の到着をただ待つのではなく、傷病者が発生した現場にいる“あなた”が適切な救命手当を行うことが求められます。具体的には、
①迅速な119番通報→②迅速な心肺蘇生→③迅速な除細動(いわゆる電気ショック)→④迅速な二次救命処置、と言う一連の“救命の連鎖”をいかに早く連続して行うかが重要です。(子供では、①予防教育→②心肺蘇生→③119番通報→④二次救命処置、と順番が変わります。)
心肺蘇生法の具体的な手順
1観察→2気道の確保→3人工呼吸→4心臓マッサージの順に行います。
1観察
傷病者に肩を軽く叩いて、“大丈夫ですか”、“わかりますか”と聞きます。
→反応がなければ、まず大声で助けを呼びます。
→①誰かいれば、119番通報とAED(自動体外式除細動器)を持ってくるよう頼み、あなたが次の気道の確保を行います。
②誰もいなければ、あなたが119番通報し可能であればAEDを取り寄せ、2の気道の確保を行います。
※例外的に傷病者が思春期未満(脇毛がないことで判断します)、溺水、外傷の時は、119番通報の前に、一連の心肺蘇生(上記2、3、4)を2分間または5回繰り返し行い、その後急いで通報します。
2気道の確保
傷病者の横に立ちます。傷病者の額に手を当てもう一方の手であご先を引き上げ頭を後ろにそらせた状態で、傷病者の顔にあなたの耳を近づけ、5~10秒間かけて、“見て”(呼吸による胸の動きがあるか)、“聞いて”(呼吸の音やいびきが聞こえるか)、“感じて”(頬で息の出入りを感じるか)、呼吸の有無を確認します。
→呼吸がなければ人工呼吸(3参照)を行った後に、心臓マッサージを行います(4参照)。(*呼吸が感じられても、胸の動きがわかりにくく小さくあえぐような呼吸をしている場合は人工呼吸を行います。)
3人工呼吸
あご先を引き上げ頭を後ろにそらせたまま、傷病者の鼻をつまみ、あなたの口で傷病者の口を覆うようにして、ゆっくりと2回息を吹き込みます。1回の吹き込みは傷病者の胸が上がる程度に、1秒以上かけて行います。胸が上がらなければそのまま続けず、もう一度あご先を引き上げ頭を後ろにそらせ直し息を吹き込みます。
吹き込んだら鼻はつまんだまま口を離し息を吐かせ、2回目を行います。一連の人工呼吸は10秒以内に行い、すぐに次の心臓マッサージを行います。上手に息が吹き込めなくても次の心臓マッサージに進んで下さい。
4心臓マッサージ
左右の乳首を結ぶ線の中央を、重ねた両手の付け根で、しっかり両肘を伸ばして上から押します。(一歳未満は同じ部位の指一本分下を、中指・薬指の二本で押します。)傷病者が子供など小さい場合は片手で行います。
胸が4~5㎝沈むように、”強く、速く”押します。(思春期未満は胸が1/2~1/3沈むように押します。)1分間に100回のリズムで30回行います。→その後再び3の人工呼吸を行います。
人工呼吸と心臓マッサージは上記のように2対30の割合で、医師や救急隊、AEDが到着するまで、または傷病者の体動が見られるまで繰り返し行います。AEDが到着したら電源を入れ合成音声の指示に従って使用します。
二人で行う場合は人工呼吸と心臓マッサージを分担して行い、2分間または5回繰り返し行ったら、すばやく5秒以内に交代し続けます。(思春期未満は二人で行う場合のみ、人工呼吸と心臓マッサージの割合が2対15となります。)